仮想通貨による所得分の確定申告手続き
仮想通貨による所得の申告について
収入と所得
所得は簡単に説明すると
収入 − 経費 = 所得 となります。
一般的なサラリーマンの場合の収入と所得は
- 雇用主が被雇用者に対して支払金額 = 収入
- 給与所得控除後の金額 = 所得
となります。
収入ではなく所得が課税対象となります。
通年で所得があることを申告し、納税しなければなりません。
仮想通貨による所得
仮想通貨の取引による利益から得た所得は課税対象となった場合、税金を支払います。
- 所得税(雑所得)
- 住民税
年間で給与以外の所得(仮想通貨による所得)が20万円以下の場合は確定申告は必要ないです。
給与以外の所得(仮想通貨による所得)が20万円以下でも住民税の対象になりますので、住民税の申告をしなければなりません。
所得があれば確定申告をしておく
仮想通貨による所得があることを申告
- 所得税は国税で税務署に申告
- 住民税は地方税で市町村役場に申告
所得税の確定申告と住民税の申告は、全くの別物です。給与所得以外の所得が20万円以下で確定申告をしていない人は住民税の申告をしなければなりません。
仮想通貨の課税計算について詳しい説明があります。
ただ、確定申告や年末調整をした場合は、税務署が市町村に申告内容を通知してくれるため、住民税の申告をする必要はありません。
結論を申しますと、仮想通貨による所得があれば20万円以下20万円以上に関わらず、確定申告をしておけばいいということになります。
確定申告の手続き
確定申告書の提出先
申告の際の住所地を所轄する税務署
※税務署は土・日・祝日は閉庁
確定申告をする期間
02月16日 ~ 03月15日
※03月15日が休日の場合は
翌営業日が提出期限になります。
確定申告書をもらえる場所
確定申告書は税務署や各市区町村の窓口
確定申告書の用紙(個人の場合)
- 一般用(青色)
- 一般用(白色)
- 給与所得者の還付申告用
- 公的年金等のみの人用
一般用(白色)を使います。
確定申告書の選び方
確定申告書は一般用(白色)を使います。こちらの確定申告書は2タイプあります。
- 確定申告書A(A様式)
- 確定申告書B(B様式)
確定申告書A は、還付申告をする人や年金収入者が使用します。
確定申告書B は、事業所得や不動産所得のある人、また土地・建物や株式の譲渡(ゆずり渡すこと)がある人など、所得の種類に関わらず誰でも使用できます。
確定申告書Bは確定申告書Aを完全に内包している用紙です。
確定報告書Aは確定報告書Bの簡易版のようなものです。
仮想通貨による所得の申告では、どちらの確定申告書を選んでも問題ないです。
仮に仮想通貨の所得以外にいろいろな雑所得がある方は確定申告書Bをおすすめします。
確定申告書の書き方と作成
確定申告される方には様々なケースがあり、用紙の選択から記入する項目も様々です。
事例としてはこのように設定しておきます。
- サラリーマン勤務で主な収入が給与額面額が600万円、源泉徴収額が25万円。
- 配偶者控除や扶養者控除および保険の調整などは勤務先の年末調整で対応。
- 仮想通貨取引の収入300万円とアフィリエイト報酬で25万円の雑所得がある。
- 給与所得および雑所得のみ。
- 確定申告書Bを提出する。
とします。
確定申告書の作成
確定申告書等作成コーナー
手軽に確定申告書が作成でき、印刷することも作成した申告書データを保存(PDF形式)することもできます。
赤枠を選択してください
e-TaxはPCにインストールして使用するソフトウェアですが、赤枠にある「書面提出」はブラウザから作成できるので手軽です。赤枠を選択してください。
作成するためにはすべてにチェックがないといけません。チェックを入れてください。
先に説明した通り、白色用確定申告書Bタイプで作成するので、赤枠の「所得税の確定申告書作成コーナー」を選んでください。
白色用確定申告書Bタイプで作成するので真ん中の赤枠を選択してください。
e-Taxではなく印刷して税務署に提出(持参でも郵送でも可)する方法を紹介しますので、「確定申告書を印刷して税務署に提出する」を選択してください。
仮想通貨による所得は雑所得で計上します。
雑所得は総合課税なので赤枠の②の総合課税を選択してください。
総合課税として仮想通貨の所得を登録するために他の所得も登録します。
超過累進課税方式といいます。
今回はサラリーマン勤務の方を例としているので、給与所得を登録します。
ここから勤務先から貰える源泉徴収票を用意して、画面の指示通りにそのまま入力するだけで結構です。
ここまでが源泉徴収票を基にした給与所得の登録です。
訂正または削除でやり直しはこの画面から可能です。
さて、ここからは仮想通貨による所得の入力です。
雑所得で計上し、公的年金等ではないので、赤枠の雑所得「その他」を選択してください。
この画面でも先ほどと同じ理由で、赤枠の「上記以外」を選択してください。
仮想通貨による所得やアフィリエイト等の収入所得を入力してください。
画面は例にすぎないので、取引所やアフィリエイト業者の名称をしっかりと入力してください。
税率(所得税や住民税)は自動的に計算されますが、その根拠となる所得自体は自身で計算しなければなりません。
全額利益確定した場合は利益分が所得になりますので計算は難しくありません。
暗号通貨の一部コイン分だけ利益確定した場合の所得を算出することが必要になります。
仮想通貨の所得の算出方法について詳しい説明があります。
雑所得の登録が終わりました。
源泉徴収票などから登録した控除の一覧画面です。
自動的に計算されて、所得税納税額が表示されます。
ここで表示されている所得税額は、先ほどの例でいうと源泉徴収票の所得税も入力しているので、それが差し引かれた追加納税額となります。
住民税も同時に申告可能となっています。
所得がある場合は基本的には所得税と住民税はセットで考えてください。
住民税も申告しなければなりません。
仮想通貨による所得分の住民税なので、給与から差引きされていません。
「自分で納付」を選択してください。
ここから1~3ステップで情報入力があります。
確定申告書作成で必要な主な登録は完了です。
マイナンバーの登録です。
マイナンバーガードは絶対になくさないようにしてください。
こちらは印刷するための設定画面です。
またデータの保存も可能です。
以上で完了です。
難しい作業ではないと思います。
参考にしてみてください。