favopress_vc_coin_lisk_02.jpg
現状知り得るLISKが実現したいビジョンの概要を技術的な観点を含めて記していきます。

  • 2017年内 Lisk core 1.0アップデート ⇒ 延期: 2018年初頭
  • 2018年1月~3月 モバイル&デスクトップアプリ
  • 2018年2月20日 リブランディング
  • 2018年4月 SDK配布
  • 2018年7月 分散型取引所

このようなスケジュールが予定されているので、LISKの可用性や将来性などを改めて見ていきたいと思います。


JavaScriptベースで開発されているLISKの安全性
JavaScriptとはWeb系アプリケーションを開発する言語体系の中でも最もポピュラーでかつプログラミングも容易な部類にあたるため、複雑なプログラミング言語で構築することに比べるとその開発コストはかなり抑えられます。それ故に逆手に取ると精通している技術者であれば、Javascriptの性質や弱点など、攻撃しやすいかもしれません。
しかし、これはJavascriptが本質的に安全ではないという意味ではなく、どの言語で開発しても安全性への配慮として結局のところ工夫を施さなければなりません。
長所を最大限に活かし、実用性や拡張性、処理性能を考慮した場合には、Javascriptは最良の選択肢になります。これはLISKが将来果たす役割として非常に価値のある特徴になります。

移行計画
LISKは将来的にはJavascriptから、より厳密なオブジェクト指向とセキュリティ性能の高いTypescript(マイクロソフトが開発したスクリプト)に移行を計画しているようです。
そして、コアな機能部分に関しては、C++に書き換えたものにする計画のようです。
Javascriptの利点を残しながら、既知の課題を最終的に克服するための計画です。


LISKのブロックチェーンプロジェクトが目指す方向
LISKは他の暗号通貨の仕組みやその他ブロックチェーンの仕組みと競合するものではありません。
秘匿性のあるブロックチェーンであっても、その他既存サービスのシステムにおいても、LISKのサイドチェーンがこれらを受け入れることができる仕様になっており、プラグインを利用することによって別のシステムとの連携が取れる仕組みを考慮しています。
LISKの導入を検討するに値する十分な柔軟性といえます。


LISKの分散型ネットワーク
LISKは、Bitcoin、Nxtcoin、BitSharesなどと同様、分散ネットワーク型です。
BitcoinやNxtcoinのProof of Workではなく、BitSharesと同様にDelegated Proof of Stakeを採用しています。

LSK(トークン)所有者は、分散型ネットワーク上のLSK所有者に投票する仕組みがあります。
ネットワーク全体から票を得た上位101人が選ばれ、この選ばれた101人がマイニングの報酬を得ることができます。このアクティブな代表者に選ばれるためには、LSKの保有量が非常に関係あります。
意図的に誰かに権限を託すことはできない代表選挙制のような仕組みです。
電気代と採掘難易度の壁があるProof of Workとは異なり、一定の課題点は克服しています。
しかし上位101人とは結局のところ、財政的に余裕がある人の方が優位性が高いのは事実です。


暗号処理性能
LISKは暗号化方式であり、発行されるトークンはLSKと呼ばれます。
あるアカウントから別のアカウントにLSKを送信するための時間はおよそ10秒。
そして、約1〜2分後にトランザクションの承認が完了します。


LISKフレームワークの基本構想
favopress_vc_overview_lisk_01.jpg
LISK APP SDKとは、独自のサイドチェーンを展開し、それらの上にブロックチェーンアプリケーションを開発するためのフレームワークです。すべてがJavaScriptで構築されています。
このことによって、
  • プラットフォームに依存しないソーシャルネットワーク
  • メッセンジャー
  • ゲーム
  • 金融アプリケーション
  • 予測市場
  • 取引所
  • ストレージプラットフォーム
  • 契約実行プラットフォーム
  • オンラインショップ
  • IoTアプリケーションなど
これらの例にあるようなシステム開発あるいは連携の際に、独自のブロックチェーン、完全分散化、 複雑なコンセンサスプロトコルやP2Pネットワーキングアルゴリズムの手間を必要とせず、LISK APP SDKを利用することでサイドチェーンを使って他のシステムとの連携を容易に実現できる恩恵があります。
サイドチェーンの仕組みとJavascriptによる開発コストの軽減化です。

 
サイドチェーンプラットフォーム
favopress_vc_overview_lisk_02.jpg

またサイドチェーンは、メインチェーンや他のサイドチェーン上の不要データやスパムを取り除くことができ、カスタマイズを可能にしたブロックチェーンになっています。
すべての仕様、パラメータ、およびトランザクションタイプは、ブロックチェーンアプリケーションに完全に適合するように変更もできます。
ブロックチェーン上のスパムを防ぐために、ブロックチェーン上の任意のデータを保存するために必要な値のトークンが常に存在しています。
LISKのサイドチェーンを介することで連携するシステム間の可用性、データ所有者とその内容を保護する信頼性が実現できる仕組みが整っています。

LISKのサイドチェーンまたはブロックチェーンアプリケーションで発見されたバグがあり、ハードフォークが必要になった場合は、修正を施すサイドチェーンだけをハードフォークします。
メインブロックチェーンは手を加えずに済み、根幹から分岐する必要がありません。
 

ブロックチェーンアプリケーションプラットフォーム
favopress_vc_overview_lisk_03.jpg

LISK APP SDKは先述にもある「サイドチェーンの展開を可能にする」だけでなく、ブロックチェーンアプリケーションを開発するために必要なすべてのツールも提供しています。

ブロックチェーンアプリケーションは基本的に4つの部分で構成されています。
  • コンセンサスアルゴリズム(DPoS)
  • サイドチェーン(データベース)
  • バックエンド(アプリケーションロジック)
  • フロントエンド(アプリケーションユーザーインターフェイス)
独自のコンセンサスアルゴリズム(標準ではDPoS)、ブロックチェーン、オプションのカスタムトークン、バックエンド、およびフロントエンドを備えた完全なアプリケーションとなっています。
これらにより、LISKを通して既存のシステム間や別のブロックチェーンシステムとの接続を可能にしています。

LISK APP SDKを利用することで、1つのパッケージでダウンロードして使用できるブロックチェーンアプリケーションを簡単に作成できます。他のブロックチェーンシステムにはないユニークな仕組みです。

LISK APP SDKはオープンソースで配布されますが、カスタマイズや構築した方法をソースコードで共有することが可能となるメリットがあります。


LISKについてはかなり注目しています。
詳しい情報やプロジェクトの進捗が掴みづらいですが、また更新していきたいと思います。

コメント欄を読み込み中